嚥下調整食で大事なことは何でしょうか。
嚥下調整食は、食べる方に合った性状に食べやすく調節するということが重要です。
その方に合うように「やわらかさ」・「くっつきにくさ」・「まとまりの良さ」を調整します。
また、味や見た目なども重要です。食事が食べられないと、低体重や低栄養状態になってしまうため、おいしく食べていただくことが大事です。
筋力が落ちて飲み込む力が低下した人の「舌でつぶれるかたさ」は、どう解釈したらいいでしょうか。
「舌でつぶす」とは、舌を上あごにつけて食べ物をつぶす、ということです。
ですので、奥歯を使わず舌と上あごで抵抗なく押しつぶせる状態と思ってください。
舌でつぶす力は「舌圧」といって、食べる機能の評価に使われ、摂食嚥下機能が低下している方は健常な方に比べるとかなり弱くなっています。
嚥下調整食は、「やわらかいもの」だと思うのですが、「鳥のから揚げ」(テキスト 42 頁)のように衣のついた揚げ物でも良いのでしょうか。
工夫は必要になりますが、揚げ物でも嚥下調整食になります。工夫のポイントは 2 つあります。
1 つは種をやわらかくすることです。テキストの例はミンチを使い、さらに卵白を合わせており、やわらかい仕上がりになっています。
もう1つは衣をしっとりさせることです。フリッターや天ぷらのように水分の多い衣を用いたり、カリッと揚げたものをつけ汁、ソース類等に漬け、衣をやわらかくしてから提供したりします。揚げる温度が高すぎると衣が硬くなるので注意が必要です。
繊維の強い食材は、どのように利用すればよいでしょうか。例えば、長ねぎ、白髪ねぎは喉に引っかかりそうですが、みじん切りしたものは気管に入ってしまいそうです。
繊維の強い食材は使用を悩みますね。基本は繊維が短くなるように切ります。
白髪ねぎは繊維が長いままですので、噛むことも飲み込むことも難しく、使用しない方がいいです。長ねぎをみじん切りする場合は、口の中でバラバラにならないよう、和え衣や餡などでしっかりとまとめ、誤嚥を防ぎましょう。長ねぎの代わりに、玉ねぎをすりおろしたものや、長ねぎの香りを大切にしたいのであればネギ油を使用する方法もあります。
ごぼうやれんこんなどは、繊維を短く切った上で、重曹やたんぱく質分解酵素を使って下茹ですると、やわらかくなります。
炊いた大根を潰すと、中からゆるい水分が出てきます。この離水をどうすればいいでしょうか。
大根のふろふきとか、おでんの大根とか、煮物の大根ではやはり一番気をつけたいのは「離水」です。
そこで、炊き合わせにしてもおでんにしても餡をかけます。厚みを半分にするなど、口に取り入れる大きさを小さくすることで、離水を少量にとどめる工夫も良いでしょう。
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